移住して農業したいけど、いきなり新規就農するのは不安。
まずは農業法人に就職して、ゆくゆくは独立したいな。
移住相談でよくある声です。
とはいえ、
- 農業に特化した求人サイトってあるの?
- 農業の就職説明会があるって聞くけど、いつやってるの?
- 農業に就職・転職するときのポイントは?
という疑問をお持ちの方も多いでしょう。
そこで今回は、農業の求人情報サイトと就農フェア(就職説明会)の情報を紹介します。
また、農業に就職・転職するときのポイントや、移住が伴うときの便利情報も紹介。
移住して農業したい方、農業法人への就職を検討している方はぜひ参考にしてください!
このブログを書いている人
- 岡山県真庭市の移住コンシェルジュ
- 稲作の兼業農家
- 今回紹介する求人サイトや就職説明会を過去に利用
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目次
新規就農者数に占める雇用就農者の割合は増えている
農業法人に就職する人の割合は増えています。
農林水産省の「新規就農者調査」によると、新規就農者数に占める雇用就農者の割合は、10年で1.6倍に拡大しています(H21:11.3%⇨R1年:17.6%)。
また、新規雇用就農者の数も、8,000人前後で推移していたのが、2015年からは1万人前後で推移するなど増加しています。
このように、農業に”就職する”傾向は拡大しています。
「農家として独立するのは不安」という方は、農業法人への就職もアリです!
出典:農業を担う人材の育成・確保に向けて(令和3年6月 農林水産省)
農業の求人サイト9選
それでは、農業の求人サイトを9つ紹介します。
正社員だけでなく、アルバイト募集がメインのサイトも掲載しました。
①JAグループ農業求人サイト
農業といえば「JA」をイメージされる方も多いでしょう。
特徴は以下の通りです。
- 全国のJAグループの求人情報がまとめられている
- 正社員だけでなく、パートやアルバイトの情報も掲載
地域に根ざした情報を集めたい方、パートや短期アルバイトで経験を積みたい方におすすめです。
地域のJAの求人情報>JAグループ農業求人ポータルサイト
パートやアルバイトの情報>Nツアーアグリ人材バンク
②農業をはじめる.JP
出典:農業をはじめる.JP
「農業をはじめる.JP」は、全国農業会議所が運営する求人サイトです。
特徴は以下の通りです。
- 求人情報だけでなく、就農相談や支援情報も提供している
- インターンシップや研修情報も掲載されており、就農をトータルでサポート
- 新型コロナウイルスの影響で人手不足になった農業法人の求人情報もあり(2022年3月現在)
新規就農に関するあらゆる情報が掲載されているので、農業に就職したい方はもちろん、将来的に独立したい方、まずは農業を体験したい方にもおすすめです。
リンク:農業をはじめる.JP
③第一次産業ネット
出典:第一次産業ネット
「第一次産業ネット」は、第一次産業全般を扱っている求人サイトです。
僕も就職活動中に使っていたサイトです。
特徴は以下の通りです。
- 農業だけでなく、漁業や林業の求人情報も掲載
- 農業法人や個人農家だけでなく、農業資材の販売企業など、関連会社の求人も掲載
- さまざまな条件を指定できるため、自分の希望に合う求人を探せる
- 農業専門エージェントからのサポートも受けられる
農業への就職を決めている方には使いやすいサイトだと思います。
また、「自然の中で働く仕事がしたい」という方にもおすすめです。
リンク:第一次産業ネット
④あぐりナビ
出典:あぐりナビ
「あぐりナビ」は、日本最大級の農業求人サイトです。
特徴は以下の通りです。
- 掲載件数日本一(2022年3月18日現在で2,145件)
- 独自の非公開求人あり
- 専任の就農アドバイザーによる就農・転職サポートが受けられる
- 求人によっては農業体験OKや見学OKなところもある
「まずは農業に触れてみたい」という方から「農業への就職を真剣に検討している」という方までおすすめできる求人サイトです。
また、同じ運営会社のサイトで「あぐりーんキャリア」というサイトもあります。
登録無料で手厚いサポートを受けられるので、参考にしてください。
リンク:あぐりナビ
⑤農家のおしごとナビ
出典:農家のおしごとナビ
農業未経験の方におすすめなのが「農家のおしごとナビ」です。
特徴は以下の通りです。
- 正社員、アルバイトだけでなく、後継者候補や農場長候補など、幅広い雇用体系の求人を掲載
- 専門スタッフによる「お仕事紹介サービス」を受けられる
- 農業体験や会社説明会などのイベント情報も掲載
利用するには会員登録が必須ですが、農家や農業法人も料金を支払って求人情報を掲載している”本気度の高い”マッチングサービスです。
リンク:農家のおしごとナビ
⑥マイナビ農林水産ジョブアス
「マイナビ農林水産ジョブアス」は、(株)マイナビが運営する求人・転職サイトです。
特徴は以下の通りです。
- 農業だけでなく、林業や漁業、一次産業ビジネスの求人も掲載
- 掲載基準をクリアした求人のみ掲載しているので安心して利用できる
- 働く人の声や移住ノウハウなどの特集記事も掲載
一次産業で幅広く求人を探したい方におすすめです。
リンク:マイナビ農林水産ジョブアス
⑦農mers(ノウマーズ)
出典:農mers
「農mers」は(株)マイナビが運営する、生産者と働き手をつなぐマッチングアプリです。
特徴は以下の通りです。
- チャット機能で生産者に直接問い合わせることができる
- 生産者からスカウトが来ることもある
- 無料で登録、利用できる
スムーズにやりとりができるので、効率的に案件を見つけたい方におすすめです。
リンク:農mers
⑧ボラバイト
出典:ボラバイト
「ボラバイト」は、アルバイト求人に特化したサイトです。
特徴は以下の通りです。
- 住み込みのアルバイト求人が豊富
- 日帰りの農業体験もあり
- 農業以外にも、漁業や宿泊業の求人もあり
「まずは農業を体験してみたい」「地域に関わる仕事を体験したい」方におすすめです。
また、学生さんにもおすすめのサービスです。
リンク:ボラバイト
⑨自治体や地域の求人サイト
特定の求人サイトではありませんが、自治体や地域の求人サイトもおすすめです。
都道府県や自治体によっては、移住政策の一環で独自の求人サイトを提供している場合があります。
「移住後の仕事の選択肢として農業も考えている」という方はぜひ利用してみましょう。
就農フェア(農業の就職説明会)一覧
最近では農業に特化した就職説明会も開催されています。
農業法人と直接お話できるので、良い情報収集の機会になります。
①新・農業人フェア
農林水産省や厚生労働省など、公的機関が関わっている就職相談会です。
「農業EXPO」と「農業就職・転職LIVE」という2つのイベントがあります。
- 農業EXPO:未経験者から独立希望者まで幅広い情報収集ができる。農業の知識を深めたい方におすすめ
- 農業就職・転職LIVE:農業への就職・転職を目指す学生や社会人が対象
僕も過去に「農業就職・転職LIVE」に行ってみました。
多くの農業法人がブースを出展しており、一般的な合同企業説明会のようでした。
また、自治体の就農相談ブースもありました。
なお、2021年に開催されたイベントは、新型コロナウイルスの影響で入場は予約制。
オンライン面談も可能です。
開催場所 | 東京、大阪 |
対象 | 年齢制限なし |
特徴 | ・参加無料 ・優先入場予約あり ・服装自由 ・入退場自由 |
主催 | (株)ツナグ・マッチングサクセス |
リンク | 新・農業人フェア |
②食・農就活サミット
「食・農就活サミット」は、新卒学生を対象とした合同企業説明会です。
特徴は以下の通りです。
- 農業だけでなく、アグリビジネスや食品企業も出展
- 業界人によるトークセッションや業界研究セミナーも開催
- 参加は要予約
最近はIターン就職やUターン就職で農業を志望される学生さんも増えていますね。
農業分野に就職したい学生さんはぜひチェックしてみてください。
開催場所 | 東京 |
対象 | 新卒学生 |
特徴 | ・参加無料 ・要予約 ・入退場自由 ・履歴書不要 |
主催 | 第一次産業ネット |
リンク | 食・農就活サミット |
③アグリク
「アグリク」は、日本最大級の農業と食の就職・転職フェアです。
特徴は以下の通りです。
- 農業界で有名な企業が多く出展
- 最新の農業情報を得られるセミナーや企業によるプレゼンを開催
- 情報は主にSNSで発信
農業界でバリバリ働きたい方におすすめです。
開催場所 | 東京 |
対象 | 新卒、第二新卒、中途 |
特徴 | ・参加無料 ・事前予約制 ・入退場自由 ・服装自由 ・履歴書不要 |
主催 | アグリコネクト(株) |
リンク | Facebook・Instagram |
④マイナビ農林水産FEST
「マイナビ農林水産FEST」は、(株)マイナビが主催する農業関係の就職・転職イベントです。
特徴は以下の通りです。
- 農業だけでなく漁業・林業の企業も出展
- ウェブサイトのコンテンツも充実
農業を含む一次産業全般を考えている方におすすめです。
開催場所 | 東京、大阪、愛知 |
対象 | 就職・転職を希望される方 |
特徴 | ・参加無料 ・要予約 ・服装自由 ・入退場自由 ・履歴書不要 |
主催 | (株)マイナビ |
リンク | マイナビ農林水産FEST |
農業の求人情報を手に入れるその他の方法
その他にも、農業の求人情報を手に入れる方法があります。
主なものを3つ紹介しますね。
一般の求人サイト
タウンワークやハローワークなどの求人サイトにも、農業の求人は掲載されています。
雇用形態や職種、条件はさまざまです。
しかし、写真の掲載がないため、職場の雰囲気がわかりません。
気になる求人を見つけたら、企業情報も一緒に調べるのがいいでしょう。
SMOUT
このブログで何度か紹介している移住スカウトサービス「SMOUT」にも、農業に関する情報が掲載されていることがあります。
特徴は以下の通りです。
- 移住関係の情報が多い
- 農業関係は求人に加え、「農業体験」や「副業(複業)」に関する情報もある
- プロジェクトに「興味ある」を押すと、自治体からスカウトが来ることがある
ちなみに、僕はSMOUTで仕事を見つけたことが移住の決めてになりました。
地域に関わりながら農業したい方におすすめです。
リンク:SMOUT
地域おこし協力隊
地域おこし協力隊とは、都市部から農山村などの過疎地域・条件不利地域に住民票を移し、地域活動をしながらその地域への定住・定着を図る制度です。
自治体によっては、地域おこし協力隊として農業に関わる人を募集しているところがあります。
任期期間中(3年)で地域との関係性を築きながら農業スキルを習得し、任期終了後の独立を目指します。
移住者に人気の制度なので、気になる方は移住希望の自治体が協力隊を募集していないか確認してみましょう。
リンク:地域おこし協力隊(ニッポン移住・交流ナビ JOIN)
ちなみに、過去に岡山県久米南町で”ブドウ農家”への就農を目的に地域おこし協力隊になった景山さんを取材させていただきました。
ーとある20代の若者が就農に至るまで〜地域おこし協力隊として目指すブドウ農家〜
ー人とのつながりで開く就農への道〜地域おこし協力隊として目指すブドウ農家〜
農業の求人を探すときのポイント
求人を探すときは「自分に合う求人を見つけること」が大切です。
以下のポイントを参考にしながら、慎重に検討してください。
業種
農業といっても、さまざまな業種があります。
以下のようなものがあるので、「何を育てたいか」「何に興味があるか」と考えながら、慎重に検討しましょう。
主な業種:稲作、畑作、路地野菜、施設野菜、果樹、花卉、酪農、肉牛、養豚、養鶏、競走馬、観光農業
雇用形態
農業の求人は、雇用形態もさまざまです。
本格的に農業に取り組みたい方は正社員ですが、初めての農業で不安が大きい方はアルバイトなどの”短期間雇用”に応募しましょう。
特に「ボラバイト」は気軽に応募できる求人が多いのでおすすめです。
報酬は他の雇用形態に比べると少なめですが、住み込みで働けるところが多いため、農業のリアルを体験できます。
給与や雇用条件
当たり前ですが、給与や雇用条件も重要なポイントです。
いくら農業がしたくても、給与が安いと生活に困ります。
「月収○万円以上」「社会保険完備」など、自分の中で希望条件を決めておきましょう。
勤務地
農業に就職・転職するなら、勤務地から近い場所に住むのがおすすめです。
農業では、農繁期を中心に朝早く出勤する場合があります。
また、体力仕事なので、退勤後はかなり体力を消耗しています。
ヘトヘトの状態での長距離自動車通勤や電車通勤は、かなりストレスになります。
勤務地が決まったら、その近くに引っ越すのがおすすめです。
本当に農業をしたいのか確認する
最も大切なポイントは「本当に農業をしたいのか」確認することです。
農業には以下のようなキツイ点もあります。
- 朝早くから働くことがある(僕の行っていた桃の収穫バイトは朝6時開始でした)
- 重いものを持つ作業で腰を痛めることがある(僕は”まだ”ありません)
- 虫とたくさん出会うので、虫が苦手な人は要注意(僕も苦手ですが慣れました)
- 危険が伴う作業もある(田植え機でひっくり返りそうになりました)
このような点もふまえて、本当に農業がしたいのか、もう一度考えてみましょう。
「キツくてもOK!」であれば、ぜひチャレンジしてみてください!
移住を伴う場合は移住相談窓口も利用するのがおすすめ

「移住して農業がしたい」という方は、自治体の移住相談窓口も利用するのがおすすめです。
移住相談窓口では、その地域の暮らしや住まいの情報、移住に便利な支援制度を紹介してもらえます。
また、自治体によってはネットワーク作りをサポートしてくれるところも。
移住前から地域に知り合いが多いと安心できます。
移住すると生活環境が大きく変わってしまうので、しっかり準備しておかないと農業に集中できません。
移住生活のスタートを成功させるためにも、暮らし全般の情報収集を目的に、移住相談窓口に行ってみましょう。
まとめ:農業をしたいなら「就職」も1つの選択肢
今回は農業の求人サイトや就農フェアを紹介しました。
移住して農業しながら暮らすことに憧れる人はたくさんいます。
でも、「いきなり就農するのはキツイ」と感じる人が多いのも現状。
そんなときは、今回紹介した情報を参考に、”農業に就職する”ことも選択肢の1つです。
ぜひ農業の求人サイトや就農フェアをうまく活用して、自分に合う就職先を見つけてください!
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