こんにちは。
岡山県真庭市の移住支援員、フジモトです。
田舎に移住して農業したい!
地方移住を考えたことある方なら、一度は憧れたこともあるでしょう。
- 自分で食べる分は自分で作りたい
- 田舎暮らししながら農業で生計を立てたい
- 週末は家庭菜園を楽しみたい
こんな憧れ、ありますよね。
でも、実際のところはどうでしょうか?
実は一口に「農業」といっても、専業農家や自給的農家など、さまざまな形があります。
だから、この記事では以下のことを紹介したいと思います。
- 農業にはさまざまな形があること
- 田舎の家庭菜園は広いこと
ぼくも家庭菜園をしているので、その経験も紹介したいと思います。
この記事を読むことで、田舎に移住して自分がどんな農業をしたいのか、少し明確になるかなと思います。
こちらの記事でも書きましたが、移住前に移住後の将来像を描いておくことは重要ですよ。
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目次
移住のお問い合わせで多い「農業がしたい」
出典:写真AC
移住のお問い合わせの中で多いのが「農業がしたい」ということ。
確かに、都会に住んでいると農業には憧れると思います。
自然を身近に感じられますし、自分で育てた野菜やお米を自分で食べられます。
この喜びは何物にも代えがたいものがあります。
僕も農業が大好きです。
小鳥のさえずりを聴きながら果物の世話をしたり、水の入った田んぼで田植えをしたり、夕食を思い浮かべながら野菜を収穫したり。
僕にとって、農作業に打ち込んでいる時間は至福のひと時です。
でも、僕は”専業農家”ではなくて”兼業農家”なのです。
”家庭菜園”も少しだけやっています。
専業農家さんのところに、”農作業のお手伝い”にもいっています。
さて、あなたが想像している”農業”って、どんな農業ですか?
農家になりたいですか?
それとも、家庭菜園がしたいですか?
このあたりが分かっていると「田舎に移住してどんな暮らしがしたいか」が明確になります。
さまざまな農業の形
出典:ぱくたそ
農家には、大きく分けて3つの種類があります。
また、最近では”農業法人”という形態も多くなってきました。
それぞれについて解説します。
①専業農家
「田舎暮らしで農業」というと、多くの方が”専業農家”を想像するのではないでしょうか。
専業農家とは、農業のみで生計を立てている人のことです。
米農家、トマト農家というように1つの作物のみ栽培している方もいれば、野菜を多品目作っている農家さんもいます。
実は、専業農家になるには、とてもハードルが高いです。
数百万円の自己資金・農地・設備など、たくさんの物とお金が必要です。
正直、よほど入念に準備している場合を除いて、移住後すぐに専業農家になるのはおすすめしません。
研修制度や就農支援などありますが、本気で準備する必要があります。
農家になった後、生計を立てていかなければなりませんからね。
もちろん、事前に下調べや将来の計画をしっかりと立てられれば、専業農家の道もアリ。本気で専業農家になりたければ、まずは移住先の県・市町村の窓口に聞いてみましょう。
【リンク】
②兼業農家
農業で収入を得ながら、農業以外の仕事もしている農家さんのことです。
「家に田んぼがある」という方は、多くが兼業農家です。
ぼく、フジモトも兼業農家です。
僕の場合は、真庭市の移住支援員をしつつ米農家をしています。
兼業農家になるのは、移住先に地縁がないと難しいでしょう。
兼業とはいえ、機械・農地が必要だからです。
僕の場合は、家が代々続く米農家だから兼業農家をしています。
土地も機械もあったので、農業を始めるにあたって特別な準備はありませんでした。
ただ、多くの方が想像するのは専業農家だと思うので、「兼業って形もあるんだな」程度の認識でOKです。
③家庭菜園(自給的農家)
▲フジモトの家庭菜園。一人暮らしには十分すぎる広さでした。▲(撮影:フジモト)
個人的に一番おすすめするのが、移住して家庭菜園をすることです。
この後詳しく書きますが、田舎の家庭菜園はとにかく広い!!
家庭菜園でも、自然を感じる・身体を動かす・収穫するといった農業の醍醐味は十分楽しめます。
むしろ、専業や兼業に比べると自分のペースでできるため、農作業に追われることも少ないです。
家庭菜園をしてみて「農業に向いてるな」と思えば、農家を目指すくらいでいいと思います。
僕も去年一年家庭菜園をしましたが、マイペースで世話した割にはたくさん採れました。
もし、移住後の農業にはっきりとしたイメージがなければ、家庭菜園から始めることをおすすめします。
【関連リンク】
④農業法人
「農業法人」とは、農業生産をメイン事業とする会社のことです。
農業で生計を立てることに憧れているなら、農業法人に就職するのがおすすめです。
会社なので、始業時間から就業時間まで、基本的には農業をします。
デスクに向かっている時間が、畑にいる時間になるといった感じです。
農作業はもちろん、法人によっては農業経営のノウハウも身につきます。
将来的に専業農家を目指す方は、研修制度もいいですが、農業法人に就職するのもおすすめです。
⑤農家のお手伝い
田舎は、都会に比べると農家さんとの距離がとても近いです。
目の前に田んぼや畑が広がることがほどんどですから。
そして、農繁期になると、お手伝いを探している農家さんがたくさんいます。
そこに手伝いに行くのも、農業に関わる1つの方法です。
農家さんは作業を進められる、私たちは農業に触れられる。
どちらにとってもWin-Winの関係です。
僕も、時間があるときは知り合いの桃農家さんやブドウ農家さんにお手伝いにいっています。
山の中なので、より身近に自然を感じながら、黙々と作業に打ち込んでいます。
休憩時間になるとお茶とお菓子でワイワイ談笑。
至福のひと時を過ごしています。
家庭菜園もいいですが、農家さんのお手伝いも、個人的にはおすすめです。
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田舎は家庭菜園の規模が大きい!
撮影:フジモト
さて、家庭菜園についてもう少し詳しく紹介します。
移住された方からよく「近所の方からお野菜をいただきました」って話をよく聞きますよね。
これを読むと、そのメカニズムがわかります。
明らかに自家消費できない広さ
田舎の家庭菜園は、とにかく広いのが特徴です。
僕が前に使っていた畑は10畳程度でしたが、正直1人暮らしには広すぎるほど。
中にはテニスコート一面分くらいの広さの畑をしている方もいます。
そこにたくさんの野菜を植えるのですから、食べきれなくなるのもわかります。
「頼むからもらってくれない?」という方も
お野菜を持って来られる方の中には「頼むからもらってくれないか?」と申し訳なさそうに来られる方もいます。
僕らは嬉しいからどんどんいただきますが、畑を見ると納得。
1列が10mほどの畝に、ズラッと白菜が並んでいるのですから。
白菜は、1玉食べようと思うと結構大変ですよね。そりゃ余ります。
僕も去年「苗が売ってあったから」という理由でかぼちゃを3株植えました。
すると思ったよりもできすぎて、食べきれずに配って回りました。
最初は意気揚々としていたのに、いざ食べるとなると食べきれないということも田舎ならでは。
でも、野菜を通して、近所の方とのコミュニケーションをとることができました。
家庭菜園は食べること以外にも、人とのつながりを育む面もあります。
まとめ:まずは家庭菜園がおすすめ
▲昨年収穫した夏野菜。見た目は悪いけどおいしくできました。▲(撮影:フジモト)
農業にはさまざまな形があることがお分かりいただけたでしょうか?
あなたの思い描いていた農業はどんな農業でしたか?
もしぼんやりと農業したいと思っている方には、手軽に始められる家庭菜園がおすすめです。
田舎には家庭菜園付きの物件は多いですし、地域の方に聞けば教えてくれることもあります。
まずは農業に触れて、作物を育てるということを学ぶといいと思います。
農家になるのか、このまま自給的に暮らすのかはその先のこと。
鍬を握って、土地を耕すところから始めましょう!
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