でも、仕事と住まい、どちらから探せばいいのだろうか?
「◯◯」みたいな仕事がしたいけど、地方は仕事が少ないって聞くし・・・。
仕事の探し方やポイントはあるのかな?
このような疑問や悩みに答える記事です。
本記事では以下の内容を、移住コンシェルジュの観点から解説します。
- 地方移住で住まいより先に仕事を探すべき理由
- 地方の仕事事情
- 地方移住での仕事の探し方(20・30代向け)
- 地方に移住して仕事をするときの注意点
地方移住での仕事探しのポイントは、複数の方法を駆使することです。
選択肢の幅を広げることで、自分に合う仕事を見つけやすくなります。
インターネット上に掲載されない求人情報もあるので、移住の窓口なども活用しながら進めてください。
このブログを書いている人:藤本一志
- 岡山県真庭市の移住コンシェルジュ
- 岡山市から真庭市への移住者
- 移住のときは仕事探しに苦労した
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目次
地方移住で住まいより先に仕事を探すべき理由
「仕事と住まい、どちらを先に決めた方が良いですか?」という質問をよく受けます。
結論を申し上げると、特別な理由がない限り、仕事を先に決めた方が良いです。
理由は以下の2点です。
- 物件の契約時に有利になるから
- 収入源の確保により安心できるから
1つずつ解説します。
物件の契約時に有利になるから
1つ目の理由は、物件の契約時に有利になるからです。
一般的に、物件契約の際には「入居審査」があります。
物件の持ち主である大家さんや不動産会社が、申請人に家を貸しても良いか検討するのです。
そのときに重視されるのが「支払い能力」です。
入居したものの家賃が払えない可能性のある人には、大家さんも入居してもらいたいとは思いません。
一方で、仕事が決まっていると「支払い能力がある」と見なされるので、契約が決まりやすくなります。
収入源確保により安心できるから
2つ目の理由は、収入源確保によって安心できるからです。
いくら物件が決まっても、仕事がなかなか決まらなければ、不安や焦りは大きくなります。
そして、「自分が考えていた仕事とは少し違うけど、そうも言っていられないからこの仕事にしちゃえ!」と、焦って仕事を決めがちに。
結局その仕事が自分に合わず、せっかくの新生活がストレスを抱える毎日に、ということも起こり得ます。
良い仕事に巡り合って充実した新生活を送るためにも、物件より先に、じっくりと仕事を探すのがおすすめです。
地方移住の仕事探しで知っておきたい地方の仕事事情
地方、特に田舎の仕事事情は都市部とは違います。
具体的には以下のとおり。
- 全体的に人手不足
- 給与は都市部より少ない
- ネット上に求人情報がない場合がある
1つずつ解説しますね。
全体的に人手不足
「地方には仕事が少ない」と感じている方も多いと思います。
しかし、実際は地方は全体的に人手不足です。
人口流出に加え、少子高齢化によって生産年齢人口が年々減少しているからです。
場所によっては、すでに定年を過ぎている人でも、再任用や業務委託といった形で働かなければ会社が維持できないところもあります。
人手不足のために、常に求人を出している事業所も少なくありません。
私が移住コンシェルジュを務める岡山県真庭市でも、人手不足の事業所はたくさんあります。
そのため、よほどこだわりが強くない限り「仕事がなくて困る」といった状況にはなりません。
給与は都市部より少ない
地方の仕事の多くは、都市部より給与が低く設定されています。
第一次産業や第二次産業の中には試用期間があり、期間中は給与が低く設定されていることも少なくありません。
ただし、
- 公共交通機関などを除いて全体的に物価が安い
- 外食や買い物の機会が減少するため、交際費が減る
といった理由から、生活が成り立たないわけではありません。
しかし、事前に収入が減ることを知っておかないと、ついお金を使い過ぎて、生活が一時的に苦しくなることもあり得ます。
実際、私がそうでした。
移住前と同じ感覚で暮らしていたら結構お金が減ってしまい、慌てて生活スタイルを見直しました(現在は解消しています)。
事前に給与については確認しておき、自分が生活できるかどうかチェックしておきましょう。
ネット上に求人情報がない場合がある
地方では、第一次産業を中心に、ネット上に求人情報がないことがあります。
これは
- インターネットに慣れていない事業者が多い
- 家族経営を行なっている
といったことが理由です。
そのため、インターネットだけでなく、移住の窓口やハローワークなどに問い合わせるなど、幅広い方法を仕事を探すのがおすすめです。
地方移住での仕事の探し方【20代・30代向け】
それでは、地方移住での具体的な仕事の探し方を紹介します。
仕事探しの方法は、具体的には以下の10個です。
- 求人サイト
- 自治体の就業支援
- 移住希望者向けの情報サイト
- 農業
- 林業・漁業
- 起業
- 事業継承
- テレワーク
- 地域おこし協力隊
- 移住の窓口に相談する
1つずつ解説します。
求人サイト
まずは「ハローワーク」や「Indeed」などの求人サイトを見てみましょう。
求人情報の掲載数がダントツに多いからです。
仕事にこだわりがなければ、求人サイトで探すだけでも十分でしょう。
自治体の就業支援
国が進める「地方創生移住支援事業」という制度に伴い、多くの県が独自で求人情報をまとめています。
「地方創生移住支援事業」とは、地方への移住希望者と、人手が欲しい企業をつなぐ制度です。
移住者は、対象の企業に就職することで支援金を得られます。
この「移住支援金」の対象となる企業の求人は「ふるさと求人」と呼ばれ、各県が独自のWebページを設けています。
岡山県の場合は「晴れの国で働こう!岡山県しごと情報サイト」です。
移住希望者向けの情報サイト
移住希望者向けに、地域密着の求人情報を扱っているWebサイトもあります。
自分のスキルを活かして地域に貢献したい方におすすめ。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
ちなみに、私はこの中の「SMOUT」というサービスで仕事を見つけました。
https://maniwa-ijublog.com/search-job/
農業
地方では、農業も仕事の選択肢の1つです。
農業を仕事にするには
- 研修を受けて新規就農する
- 農業法人に就職する
の2つの方法があります。
新規就農はハードルが高いですが、手厚い支援が受けられます。
農業法人への就職に関しては以下の記事にまとめているので、ぜひ参考にしてください。
林業・漁業
地域によっては林業や漁業が盛んな地域もあります。
自分で一から始めるのは厳しいので、支援制度のある自治体を探すのがおすすめです。
漁師の場合は、弟子入りして修行を積むといったこともできるようです。
ちなみに、真庭市は林業が盛んな地域なので、林業関係の求人が多いことが特徴です。
実際に移住して林業の企業に就職された方もいます。
起業
思い切って起業するのも選択肢の1つです。
地方で起業するメリットは以下の通りです。
- 初期投資を抑えられる
- 起業支援を受けられる
- 人脈を活かしやすい
「自分のスキルを活かして地域に貢献したい」という方は、検討してみると良いでしょう。
ちなみに、私も「会社員×個人事業主」なので、起業した身になります。
「副業」という形で、小さく起業するのもおすすめです。
事業継承
地方では後継者不足に悩んでいる事業体が多く、中には事業継承を募集している場合があります。
すでにある事業を引き継ぐため、以下のメリットがあります。
- 時間と初期費用がかからない
- 販路や取引先も継承できる
いきなり経営者になることは難しいですが、研修などで評価されれば、既存の事業を引き継ぐことができます。
起業や独立を考えている方は、事業継承も視野に入れてみてはいかがでしょうか?
テレワーク
2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響で、テレワークを導入する企業が増えています。
そのため、現在働いている会社の業務を、移住後もテレワークで行うことも選択肢の1つです。
テレワークで今の仕事を続けられるのであれば、転職の必要がないため、不安も軽減するはずです。
テレワークできそうな企業にお勤めの方は、1度確認してみると良いでしょう。
地域おこし協力隊
地域おこし協力隊とは、都市部から地方に移住して
- 一次産業への従事
- 地域の魅力発信
- 特産品開発
などの地域協力活動を行いながら、3年の任期の中で、その地域への定着を図る総務省の制度です。
2009年から始まった制度で、2021年度時点で6,000人以上の方がこの制度を利用しています。
具体的な仕事内容や条件、待遇は、自治体によってさまざまです。
気になる地域があれば、募集要項を入念に確認したり、採用窓口に問い合わせたりしてみましょう。
移住の窓口に相談してみる
手っ取り早い方法は、移住の窓口に相談することです。
メリットは以下の通りです。
- あらゆる求人サイトを紹介してくれる
- インターネット上にない求人を紹介してくれる
- 一次産業への就職や起業する場合、窓口を紹介してくれる
実際、私も「真庭市の求人情報が多いWebサイト」をチェックしておき、移住相談の際はいつでも提示できるようにしています。
また、「良い人いたら紹介して」といった”口コミ求人情報”も時々仕入れています。
「こんな仕事がしたいけど、探し方が多すぎて混乱する」という場合は、まずは移住の窓口にお問合せください。
地方に移住して仕事をするときの注意点
移住後の仕事に夢を抱いている方も多いと思います。
しかし、すべてが理想通りとは限りません。
以下のような注意点も存在します。
- 働き方は会社による
- 環境の変化に慣れる必要がある
- 自分から積極的に情報収集する必要がある
1つずつ解説します。
働き方は会社による
「地方だから時間にゆとりをもって働ける」というわけではありません。
働き方は会社によってさまざまです。
ゆったり働ける会社もあれば、忙しく働かなければならない会社もあります。
先入観だけで仕事を決めないようにしましょう。
環境の変化に慣れる必要がある
移住してすぐに仕事を始めるのはおすすめしません。
理由は、移住先の生活に慣れる必要があるからです。
地方は
- 都市部にはない文化・風習がある
- 人付き合いが密接
- 自然との距離が近い
など、都市部と生活環境が大きく違います。
そのため、新しい生活と新しい仕事を同時に始めると、「しんどい」と感じることが多いです。
移住してから1週間ほど生活に慣れる期間を設定して、その後に仕事を始めるのがおすすめです。
入社日や引越し予定日を調整しておきましょう。
自分から積極的に情報収集する必要がある
現代はインターネットによって、どこにいても情報を手に入れられる時代です。
しかし、都市に比べて地方は新しい情報が遅れがち。
理由は以下の通りです。
- 町に広告が少ない
- 公共交通機関を使うことが減り、吊り革広告を見なくなる
- オフラインセミナーや勉強会は都市部で開催される
また、映画館や美術館も少ないため、芸術に触れる機会も減少します。
そのため、都市部に行く時間を作ったり、SNSやメルマガなどで、自分から情報収集したりすることが重要になります。
まとめ:地方移住ではさまざまな方法で仕事を探すのがポイント
地方移住の際の仕事の探し方について解説しました。
「移住したらこんな仕事に就きたい」という希望があれば、まずは行動あるのみです。
さまざまな方法を駆使して仕事を探すことで、あなたに合った仕事に出会いやすくなります。地方では”選択肢の少なさ”がネックになりがちなので、さまざまな手法を使って、仕事を探すのがおすすめです。
自分に合った仕事に就ければ、移住後の暮らしがより充実したものになります。
仕事・住まい探しは動いた者勝ちなので、積極的に情報を集めましょう。