真庭市のような中山間地域には、3大メガバンクの支店はありません。
そのため、移住後に
という声をよく耳にします。
そこで今回は、田舎の銀行事情について解説します。
最初に結論を申し上げると
- 田舎暮らしでは「ゆうちょ銀行+ネットバンク」が最強
- 必要であれば地元の銀行口座も開設
がおすすめです。
田舎暮らしを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
※この記事のデータは2023年5月時点で公表されているものです。
このブログを書いている人
- 岡山県真庭市の移住コンシェルジュ
- 岡山市→真庭市の移住者(県内移住なので銀行口座は盲点でした)
- 使っている銀行は「ゆうちょ」とネットバンク
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目次
地方におけるメガバンクの支店数
まずは地方におけるメガバンクの支店数から、地方の銀行事情を紹介します。
3大メガバンクとゆうちょ銀行の店舗数比較
以下の表は、3大メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)と、ゆうちょ銀行の店舗数を比較したものです。
銀行名 | 店舗数 |
三菱UFJ銀行 | 477 |
三井住友銀行 | 455(出張所・代理店・インターネット支店等を除く、公務部等を含む) |
みずほ銀行 | 461 |
ゆうちょ銀行 | 23,764 |
銀行ごとに集計方法が違うとはいえ、ゆうちょ銀行が圧倒的です。
岡山県における3大メガバンクとゆうちょ銀行の店舗数比較
岡山県における3大メガバンクとゆうちょ銀行の店舗数比較は以下の通りです。
銀行名 | 店舗数 |
三菱UFJ銀行 | 2 (いずれも岡山市) |
三井住友銀行 | 1 (岡山市) |
みずほ銀行 | 2 (岡山市と倉敷市に1店舗ずつ) |
ゆうちょ銀行 | 504 ※2023年2月末現在 |
こちらもゆうちょ銀行が圧倒的に多く、メガバンクが少ないという結果でした。
コンビニATMでメガバンクの引き落としはできるものの、「手数料がかかる」「通帳記入ができない」など不便です。
田舎の銀行事情(真庭市の場合)
次に田舎の銀行事情を、真庭市を例に解説します。
真庭市の銀行一覧
真庭市は岡山県北部に位置する、人口約43,000人の町です。
3大メガバンクの支店はありません。
※みずほ銀行のATMは1ヶ所あります(岡山県真庭市上水田5083)。
真庭市にある銀行(信用金庫含む)とその店舗数は以下の通りです。
銀行・信用金庫名 | 店舗数 |
中国銀行 | 4 |
トマト銀行 | 2 |
JA晴れの国岡山 | 7(ATMを含めると14カ所) |
備北信用金庫 | 1 |
津山信用金庫 | 3 |
倉吉信用金庫 | 1 |
店舗数が多いのはJA晴れの国岡山。
旧町村の中心部に1店舗ずつある感じです(旧中和村を除く)。
ATMも多く、比較的広域をカバーしています。
また、私の周辺では以下の声もありました。
- 真庭市内の賃貸契約では「JAバンクのみ」のところもある
- 山間部ではJAバンクの口座を持っている方が多い
- 農協にお世話になるからJAバンクの口座を持っている
農業をする人・山間部に移住する人は、「JA晴れの国岡山」にお世話になることがあるかもしれませんね。
真庭市の郵便局
一方で、真庭市内にある郵便局のうち、ATMがある郵便局は21支店です。
ゆうちょ銀行以外の銀行と信用金庫を合わせた数より多いですね。
旧町村はもちろん、大きな集落の中心部などにも立地しています。
ゆうちょ銀行の強み
ここまでで「ゆうちょ銀行は支店数が多くて便利」ということが分かりました。
ここで、ゆうちょ銀行の強みをまとめておきます。
支店数が多い=カバーできるエリアが広い
支店数が多いと、当然ながらカバーできるエリアが広がります。
これは、田舎において非常に大きな意味を持ちます。
正直、同じ市内といっても、数店舗程度では不便なのが現状です。
真庭市は南北に60km、東西に30kmの広い町です。
そのため、数店舗ある程度では全エリアをカバーできません。
「最寄りのATMまで車で1時間」なんてこともあり得ます。
一方で、ゆうちょ銀行のように20ヶ所程度あれば、大体どのエリアもカバーしています。
どれだけ離れていても、30分以内にアクセスできるでしょう。
この傾向は、全国の中山間地域でも大体同じでしょう。
「町や村の中心部に銀行はなくても、郵便局ならある」という場所がほとんどだと思います。
何より、店舗数23,764がそれを物語っています。
ゆうちょ銀行は、多くの田舎で”最も近い銀行”だといえます。
公共料金を引き落とせる
ゆうちょ銀行は、市税や水道料金など、公共料金の引き落とし口座としても使えます。
例えば真庭市の場合、公共料金の引き落としが可能なのは、以下の通りです。
- JA晴れの国岡山
- 中国銀行
- トマト銀行
- 津山信用金庫
- 備北信用金庫
- 倉吉信用金庫
- ゆうちょ銀行
3大メガバンクやネットバンクでは引き落とせません。
ゆうちょ銀行の強み:支店数+機能性
(参考)公金取扱窓口(岡山県真庭市)
地元の銀行の強み
支店数の多さや公共料金の引き落としができるゆうちょ銀行ですが、「ビジネス的なメリットが少ない」という弱点があります。
そこでおすすめなのが、地元の銀行に口座を開設しておくことです。
地元の銀行の強みは以下の通りです。
- 住宅ローンや融資の審査が通りやすい
- 自営業の場合、ビジネスの紹介・サポートを受けられる
メガバンクに比べると親身に相談に乗ってくれる点も特徴です。
移住して「新築を建てる」「ビジネスを始める」といった予定がある方は、地元の銀行と関係性を作っておきましょう。
ネットバンクもおすすめ
中山間地域では、ネットバンクを使うのもおすすめです。
理由は以下の通りです。
- コンビニATM・ゆうちょATMで一定回数無料で手続きできる
- 手続き・取引が自宅でできる
- 株取引など資産運用ができる
- 金利が高い
私もネットバンクの口座を持っていますが、店舗の有無に関わらず手続き・取引ができるので、非常に便利です。
ゆうちょATMも市内各地にあるので、現金を引き出すときも苦になりません。
移住を考えている方は、ネットバンクの口座を検討しておくのがいいですよ。
まとめ:田舎ではゆうちょ+ネットバンク+地元銀行がおすすめ
田舎の銀行事情について解説しました。
今回の結論は以下の通りです。
- 田舎暮らしでは「ゆうちょ銀行+ネットバンク」が最強
- 必要であれば地元の銀行口座も開設
ゆうちょ銀行は「支店数が多い」「公共料金を引き落とせる」という2点から、田舎では最強の銀行です。
もし田舎への移住を考えている方で「まだゆうちょ銀行の口座を持っていない」という方は、ゆうちょ銀行の口座を開設しましょう。
また、「新築を建てる」「ビジネスを始める」という予定があれば、地元の銀行もチェックしておいてください。
コンビニATMやゆうちょATMで利用できるネットバンクも便利です。