まとめ

真庭市は”晴れの国”なのか?データを用いて徹底検証

「岡山県は晴れの国」とよくいわれます。

でも、本当に岡山県全体が「晴れの国」なのでしょうか?

岡山県北部の真庭市は、県南部に比べると雨が多いような気がします。

そこで今回は、岡山県の市町村の中でどこが晴れの国といえるのか、検証したいと思います

まずは私が移住コンシェルジュを務める真庭市について検証し、その後に他の市町村について検証します。

あくまで個人の見解ですが、ぜひご一読ください。

このブログを書いている人

  • 岡山県真庭市の移住コンシェルジュ
  • 岡山市から真庭市への移住者 

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岡山県はなぜ”晴れの国”?

岡山県はなぜ”晴れの国”?「晴れの国」とは、岡山県のキャッチコピーです。

降水量1mm未満の日が日本一多いから、この名前が付きました。

実際に気象庁が公表している「降水量1mm未満の日数の平年値」は以下の通りです。

2位の山梨県にわずかな差をつけて、岡山県が1位となっています。

順位 都道府県 観測地点 日数
岡山 岡山 276.7
山梨 甲府 276.1
兵庫 神戸 271.7
広島 広島 270.8
埼玉 熊谷 269.3
香川 高松 269.1
和歌山 和歌山 267.8
徳島 徳島 267.2
大阪 大阪 266.8
10 大分 大分 266.6
全国平均 247.4

出典:岡山県公式ページ

ちなみに、他の指標に関しては以下のようになっています。

年間日照時間はベスト10には入っていないものの、全国平均(1,915.9時間)を上回っています。

このように、岡山県は年間を通して雨が少ないのが特徴です。

しかし、ここでこんなことを思いませんか?

確かに岡山県は雨が少ない。

でも、”岡山県のデータ”として扱われているのは、県庁所在地の岡山市のデータ。

県南部と北部では気候も違うから、一概に岡山県全体が「晴れの国」ではないんじゃないかな。。。

そこでここからは、岡山県内の市町村ごとに、「晴れの国」の定義に当てはまるか、検証していきたいと思います。

真庭市は「晴れの国」なのか検証してみた

真庭市は「晴れの国」なのか検証してみたまず検証するのは、岡山県北部にある真庭市です。

「晴れの国」の定義

まずは、本記事における「晴れの国」を定義したいと思います。

岡山県の公式ページには、以下の3つのデータが掲載されていました。

  • 降水量1mm未満の年間日数
  • 年間降水量
  • 年間日照時間

今回はこれら3つを「晴れの国構成要素」とします。

そして、以下の基準をすべて満たす場合を「晴れの国」と定義します。

  • 降水量1mm未満の年間日数:270日以上(全国上位5位以内)
  • 年間降水量:1,200mm未満(全国上位5位以内)
  • 年間日照時間:2,000時間以上(全国上位20位以内)

「降水量1mm未満の年間日数」と「年間降水量」は、岡山市が全国上位なので「上位5位以内」としました。

一方で「年間日照時間」は、岡山市は全国平均より100時間ほど多いだけ。
そのため、キリのいい「2,000時間」を目安としました。

検証方法

検証に使うデータは、気象庁の「過去の気象データ検索」から抽出したものです。

真庭市は南北に長いため、以下に示す3地点のデータを用います。

  • 北部:蒜山上長田
  • 中部:久世
  • 南部:下呰部(しもあざえ)

結果発表

真庭市の結果は以下の通りです。

観測地点 年間降水量1mm未満の日数 年間日照時間 年間降水量
下呰部(南部) 252.5日(30) データなし 1,341.9mm
(14)
久世(中部) 243.3日(35) 1,722.9時間
(37)
1,457.2mm
(20)
蒜山上長田(北部) 193.9日(43) 1,446.4時間
(48)
2,126.4mm
(40)

※()は「全国ランキングで何位相当か」を示す

真庭市内に晴れの国定義を満たす観測地点はありませんでした

つまり「真庭市は晴れの国ではない」という結論になります。

ちなみに蒜山上長田の年間降水量が2,000mmを超えるのは、降雪の影響です。
真庭市北部は毎年雪が積もり、冬場は厚い雲に覆われていることがほとんど。

瀬戸内気候というより、日本海側の気候です。

また、下呰部の年間日照時間に関するデータはありませんでした。
観測地点自体が小規模なため、集めているデータの項目が少ないのでしょう。

しかし、年間降水量1mm未満の日数や年間降水量は、「南部<中部<北部」となっています。

そのため、下呰部の年間日照時間は久世や蒜山上長田より多いと考えられます。

それでも「晴れの国の定義」には当てはまりませんが、下呰部を含む真庭市南部は、真庭市の中では最も”晴れの国に近い地域”といえるでしょう

「晴れの国」に該当する岡山県の市町村

「晴れの国」に該当する岡山県の市町村では、岡山県内で”晴れの国定義”に当てはまる市町村はどれくらいあるのでしょうか?

岡山県内の観測地点のうち、17地点のデータは以下の通りです。

観測地点 年間降水量1mm未満の日数 年間日照時間 年間降水量
倉敷 273.4日(3) 2,001.3時間
(19)
1,042.2mm
(2)
笠岡 274.5日(3) 2,110.5時間
(7)
1,055.1mm
(2)
玉野 273.2日(3) 2,187.1時間
(2)
1,038.5mm
(2)
虫明(瀬戸内市) 271.4日(4) 2,059.8時間
(13)
1,150.6mm
(5)
高梁 262.7日(16) 1,831.2時間
(33)
1,230.3mm
(9)
矢掛 270.0日(9) 1,155.2mm
(5)
和気 266.8日(14) 2,051.5時間
(13)
1,208.1mm
(8)
吉備中央 263.9日(14) 1,381.2mm
(17)
赤磐 261.2日(18) 1,265.4mm
(9)
福渡(岡山市北区) 265.4日(12) 1,962.1時間
(24)
1,249.8mm
(9)
津山 257.1日(25) 1,779.0時間
(35)
1,416.0mm
(19)
新見 249.8日(33) 1,790.5時間
(35)
1,361.1mm
(15)
千屋 210.6日(41) 1,534.1時間
(47)
1,783.5mm
(32)
奈義 243.5日(35) 1,738.3時間
(36)
1,511.0mm
(20)
今岡(美作市) 237.1日(37) 1,832.9時間
(33)
1,620.4mm
(28)
富(鏡野町) 211.2日(41) 2,055.8mm
(40)
恩原(鏡野町) 187.8日(46) 2,407.8mm
(45)

出典:過去の気象データ検索(気象庁)

以上の結果から、”晴れの国の定義”に当てはまる市町村は以下の通りです。

  • 岡山市
  • 倉敷市
  • 笠岡市
  • 玉野市
  • 瀬戸内市

これらの地域の共通点は「瀬戸内海に面している」です。

観測データはありませんでしたが、備前市や浅口市も瀬戸内海沿岸の地域なので、”晴れの国の定義”に当てはまるかもしれませんね。

まとめ:岡山県全体が晴れの国ではない

真庭市は晴れの国なのか、そして岡山県内で晴れの国と呼べる市町村はどこか、検証しました。

今回の結論は以下の通りです。

結論
  • 真庭市は晴れの国ではない
  • 晴れの国と呼べるのは瀬戸内海に面している地域(岡山市・倉敷市・笠岡市・玉野市・瀬戸内市)

今回は「晴れの国」というテーマでしたが、岡山県は地域ごとに特色豊かです。

南部は1年を通して穏やかな気候で、晴れの日が多く過ごしやすいのが特徴です。
一方の北部は自然豊かで、のんびり過ごすことができます。

ぜひ1度、遊びに来てください。



ABOUT ME
藤本一志
岡山県真庭市の移住コンシェルジュ。岡山市から真庭市に移住し、自分と同じく真庭に移住する人をサポートしている。ブログでは、移住サポート業務の中で得た移住に関するノウハウや真庭市の魅力を発信中。また、複業家でもあり、Webライター・米農家・環境学習指導者としても活動中。趣味はランニング・カメラ・鉄道旅。 詳しいプロフィールはこちら