でも、住まい探しって何に気をつければ良いんだろう?
いきなり購入しても大丈夫なのかな?
古民家暮らしにも憧れるけど、注意点もあるって聞くし・・・。
このような疑問や悩みに答える記事です。
本記事では以下の内容を、移住コンシェルジュの観点から解説します。
- 移住における住まい探しの鉄則
- 住まいの探し方
- 住まい探しのポイント・注意点
地方移住で希望の住まいに出会えるかを左右するポイントは「段階を踏むこと」「地域の人とつながること」の2点です。
移住後に理想の暮らしを実現するうえで、住まいは重要なポイントです。
私の移住体験も含めて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
このブログを書いている人:藤本一志
- 岡山県真庭市の移住コンシェルジュ
- 岡山市から真庭市への移住者
- 移住当初は古民家で暮らす
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目次
移住における住まい探しの鉄則
移住における住まい探しの鉄則は以下の2点です。
- 賃貸から始める
- 地域の人から住まいと周辺情報を仕入れる
それぞれについて、詳しく解説します。
まずは賃貸から始める
移住で家を探すとき、最初は賃貸から始めましょう。
一軒家が見つからなければ、アパートでもOKです。
いきなり住宅を購入すると、失敗したときのリスクが大きすぎます。
都会と田舎では四季の変化や文化風習、近所付き合いなど、異なることがたくさんあります。
そのため、住宅を購入した後に「思っていたのと違った」となると、余計なコストをかけることに。
思い切って手放そうと思っても、田舎は不動産の動きが鈍いため、なかなか売れない状況に陥る可能性もあります。
そのため、まずは賃貸に住み始め、地域に慣れたら購入する住まいを探すのがおすすめです。
まずは賃貸から。移住の住まい探しは”段階的に”進めよう。
地域の人から住まいと周辺情報を仕入れる
「賃貸で始めるのが重要」とはいえ、田舎は賃貸物件が少ないのが現状。
そこでポイントになるのが”人脈”です。
地域の人から
- 賃貸物件はあるか?
- 周辺環境は過ごしやすそうか?
- 物件の周辺にはどんな人が住んでいるか?
といった情報を聞き出しましょう。
地域の人脈は、移住コンシェルジュを頼ればOK。
現地訪問を繰り返して移住コンシェルジュとの関係性が構築できていれば、さまざまな人脈を駆使して、住まいとその周辺情報が集まるはずです。
移住コンシェルジュと繰り返し連絡を取って信頼関係を築くことが、良い住まいに出会えるポイントです。
移住コンシェルジュを通して地域の情報を仕入れよう。
移住での住まいの探し方
移住で住まいを探す方法は次の3つです。
- 自治体の空き家バンク
- 地域の不動産会社
- 自治体の移住支援窓口
それぞれについて詳しく解説します。
自治体の空き家バンク
空き家バンクとは、空き家を貸したい人と借りたい人をマッチングするサービスです。
自治体が運営しているため、さまざまな補助金を利用できるのがポイント。
建物の改修などを補助してくれる制度もあるので、うまく利用すれば初期費用を抑えられます。
ただし、売買物件が多い点がデメリット。
親世代から物件を相続した現所有者は、物件を「手放したい」と思っている場合が多いからです。
一応賃貸物件も登録されますが、数が少ないのが現状。
賃貸を探す場合は、見逃さないために毎日チェックするのがおすすめです。
ちなみに、岡山県の空き家バンクは以下のホームページです。
真庭市の空き家バンク物件も、以下のサイトに掲載しています。
【リンク】住まいる岡山
地域の不動産会社
2つ目の方法は、地域の不動産会社に問い合わせることです。
不動産会社の中には、空き家バンクに掲載されていない物件情報を握っている会社があります。
また、賃貸物件が空いても、情報を公開せず、事前に問い合わせがあった希望者に案内する場合もあります。
そのため、空き家バンクに希望の物件がない場合、地域の不動産会社に聞いてみましょう。
「地域にどんな不動産会社があるかわからない」という場合は、移住コンシェルジュに聞けばOKです。
自治体の移住支援窓口
3つ目の方法は、自治体の移住支援窓口(移住コンシェルジュ)に問い合わせることです。
移住支援窓口を利用するメリットは、不動産流通に出ていない物件を教えてもらえる可能性があることです。
田舎では「空き家はたくさんあるのに不動産流通には出ていない」という場合がよくあります。
その情報は、移住コンシェルジュや地域の人しか知りません。
そのため、移住支援窓口に問い合わせると、思いもよらぬ物件に出会えることもあります。
移住での住まい探しのポイント
移住で住まいを探すときのポイントは以下の3点です。
- 移住コンシェルジュとの信頼関係を築く
- 外周や床下も念入りにチェックする
- 補助金情報を確認する
それぞれについて詳しく解説します。
移住コンシェルジュとの信頼関係を築く
先ほど「移住支援窓口に問い合わせると、思いもよらぬ物件に出会えることがある」といいましたが、それには前提条件があります。
それは、移住コンシェルジュと信頼関係が築けていることです。
いきなり「不動産情報に載っていない物件ありますか?」と聞いても、すぐに物件を教えてもらえるわけではありません。
移住コンシェルジュと信頼関係が築けて、「この人なら田舎で暮らしても大丈夫そうだ」と判断されると「実はこんな空き家があるんです」と紹介してもらえます。
田舎は住民同士で助け合って暮らしています。
そこに地域の輪を見出すような人が移住してしまうと、暮らしにマイナスの影響が出てしまいます。
私も、移住希望者とお話する際は人柄をよく見て、良い関係性が築けるかチェックしています。
繰り返し訪問する、定期的に連絡を取り合うなどして、移住コンシェルジュとの信頼関係を築いていきましょう。
外周や床下も念入りにチェックする
物件見学の際は、外周や床下、屋根裏などの状態も確認しておきましょう。
特に空き家になって数年経つ物件では
- 正面から見るとしっかりしているけど、裏は傷みが激しい
- 夏場の湿度の影響で、床下が腐っていた
- 屋根裏に雨漏りがあった
といったことがあり得ます。
自分の目で確認するのが、住まい探しで成功する1番の鍵です。
必ず、外周や床下、屋根裏といった見えにくい部分も確認するようにしてください。
補助金情報を確認する
各自治体が、移住に関する補助金を用意しています。
その中には、物件の改修や購入を補助してくれる補助金もあります。
中には「地域の木材を利用した場合に材料費を補助する」といった条件の補助金も。
自治体によって内容は異なりますが、改修や購入の足しになるので、必ず確認しておいてください。
移住で住まいを探すときの注意点
移住で住まいを探すときの注意点は次の2点です。
- 多くの古民家は改修が必要
- 敷地が広すぎると夏の草刈りが大変
それぞれについて詳しく解説します。
ほとんどの古民家は改修が必要
古民家暮らしに憧れる人は多いと思います。
しかし、ほとんどの古民家は「水回りが古い」「床や壁が傷んでいる」といった理由で改修が必要です。
実際、私が最初に暮らした古民家も、トイレが古かったので改修しました。
他にも傷んでいる部分はありましたが、予算オーバーになるのと、なんとか大丈夫という理由で、ひとまず見送ることに。
結果、普通に暮らすことができました。
古民家暮らしを希望する場合は、初期費用がかかることを見越して改修予算を決めておいてください。
その際、自治体の補助金を活用するのもお忘れなく。
敷地が広すぎると夏の草刈りが大変
田舎暮らしは雑草との戦いです。
「広い畑や空き地が隣接してて気持ち良さそう」と思っても、夏は草が生い茂ります。
さらに、1度刈っても数日したら再び伸びてきます。
しかも草が生い茂るのは真夏なので、草刈りはかなりの重労働です。
「畑がしたい」「草刈りが好き」といった人であれば問題ありません。
しかし「広々としてて気持ち良さそう」という理由で住まいを決めるのはおすすめしません。
失敗が少ない賃貸物件の特徴
失敗が少ない物件には共通の特徴があります。
賃貸物件の場合は、「先輩移住者が住んでいた物件に住むこと」。
理由は、その物件の情報や周辺環境などを詳しく聞けるからです。
また、
- 季節ごとの過ごし方
- メンテナンス方法
- ご近所付き合い
を教えてもらいやすいこともメリットです。
先輩移住者が引越しを考えていると聞いたら、アプローチをかけておきましょう。
ちなみに、真庭市にも、移住者から移住者へと受け継がれている物件があります。
この物件に住んだ人の多くが真庭暮らしに馴染んで、新しい物件を見つけて定住しています。
物件の購入を検討する際のポイント
とはいえ「物件を購入したい」という方もいるでしょう。
あまりおすすめはしませんが、移住で物件を購入するときのポイントは以下の3点です。
- 改修費
- 家の大きさ
- 家主との相性
それぞれについて詳しく解説します。
改修費
1つ目のポイントは、「改修費がどの程度かかるか」です。
いくら良い物件でも、改修費がかかりすぎる物件はおすすめしません。
多額の費用をかけたのに、移住先の暮らしが合わないとなると、手放そうにも手放せなくなるからです。
明確な予算を決め、その中で購入できる物件を選びましょう。
家の大きさ
2つ目のポイントは、「家の大きさが暮らしに合うか」です。
田舎は大きな家が多いです。
私が見た中で最も大きい物件は「8LDK」でした。
一体何人で暮らしていたのでしょう?
大きすぎる家は「維持管理が大変」といったデメリットがあります。
私も最初に住んでいた古民家が広すぎて、4部屋も使っていない部屋がありました。
定期的に掃除をしないと虫が発生したり、変な匂いがしたりするので、かなり手間でした。
そのため、暮らし方に合ったサイズの物件を選ぶのがおすすめです。
家主との相性
3つ目のポイントは、家主との相性です。
家主との相性が良ければ、
- 値段交渉がしやすい
- 近所への挨拶を手伝ってくれる
- 移住後も気にかけてくれる
といったメリットがあります。
私も最初に住んでいた古民家の家主が優しい方で、家賃を払いに行くと「家賃のお礼じゃ!」と言って、よくご飯をご馳走してくれました。
「代々大切にしてきた家だから、大切に引き継いでほしい」という、丁寧な姿勢の家主だと信頼できます。
逆に、「そんなに欲しいなら売ってやるぞ」という上から目線の家主は要注意です。
まとめ:移住の住まい探しでは人とのつながりが重要
地方移住の住まい探しについて解説しました。
移住において、希望の物件に出会うためのポイントは以下の通りです。
- まずは賃貸から始めて、その地域が気に入れば購入を検討する
- 賃貸物件は数が少ないので、移住の窓口を通じて地域の人との信頼関係を築き、人脈を駆使して探す
- 古民家は改修前提で考える
私も移住後に3度引っ越しをしていますし、他の移住者の方も、移住後に地域内で引っ越ししている方は多くいます。
1発で決めるのではなく、「段階的に探す」という意識を持って、地道に住まい探しを行いましょう。
住まいまで決まれば、あとはタイミングを決めて引っ越すだけです!
ただし、見落としがちなこともあります。
その中の1つが銀行口座です。
田舎ではメガバンクが使えないことが多く、移住の際に困った方も多くいます。
以下の記事で田舎の銀行事情について解説しているので、ぜひご覧ください。